2020.07.05

昨日の母は体調はイマイチだったが、テレビを見てケラケラ笑っていた。食欲はまぁまぁあるようで、三食ともに食べてくれた。

ハウスの取れたてナスを昼、夜とメニューをかえて作ったところ美味しいと食べてくれていた。

なるべく一緒に過ごしているのだけれど、会話も少なく、1人になりたい時間もあるよう。

 

昨日の様子だと体調が落ち着いているようだったので、今日は私は出かけることにした。

 

8時過ぎ、洗濯ものを干しに母の部屋に行くと、まだ眠っていた。治療前日は一睡もできなかったと言っていたので、疲れも溜まっているのかな。部屋に入ると目を覚まし、洗濯物は任せてお出かけしてくださいと気を遣ってくれた。今までは家事の9割を母がしていたが、この一年は母が体力的に出来なくなることも多くなってきた。手足が常に痺れていて、感覚がなく、階段の上り下り時は転ばないから気にかかる。

 

以前の彼女は、階段や廊下をドタバタとせっかちな上がり方をしていたが、足音が全くきこえなくなり、そろーりそろーりと慎重にのぼりおりしている。

 

夕方帰宅すると庭のプランターの枯れかけていた花たちがなくなり、居間にはお煎餅を食べたようなあとがみられ、彼女が起きていたことが読み取れた。

階段を登っていくと、お手洗いが見え、中には靴下が脱ぎっぱなしで戸が半開きのままになっていた。部屋を見るとぐったりとした母が横になっていた。

便秘でお手洗いに2時間ほどいたが、冷や汗と腹痛が続き、やっとの排便時に同時に嘔吐してしまい、体力を消耗してしまい動けなくなっていたと小さな声で教えてくれた。

 

お水、バケツ、歯ブラシ、麦茶を持っていき、口の中を洗浄してもらった。水分補給をしてもらい、そのまま休んで様子を見ることにした。

 

1時間後に部屋にいくと、動けるようになり、いつの間にか洗濯物をたたんでくれていた。

 

頂き物のメロンと桃をむいて持っていったが、今夜は控えておくとのことで、口にはしなかった。お風呂上がり、頭が回っていないようで、すぐ休んでいた。

 

彼女の体の中の機能が日に日に落ちているように感じる。

 

今朝、彼女が読みかけている本が目に入った。

 

「もしも1年後、この世にいないとしたら――」 見ないフリをした自分がいたが、確実に心ではいやだ!と叫ぶような痛みを感じた。

 

目的地までの運転中、本のタイトルが頭から離れずいろんな思いが巡り目が熱くなった。

 

まだ母は生きている。いなくなった後の世界のことは想像がつかないし、覚悟なんてできてない。

 

雨が上がり、日が差してきた田んぼが綺麗だった。母を散歩に連れ出したいと思った。

 

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